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核内長鎖ノンコーディングRNAが自然免疫応答における分子スイッチとして働くことを発見

 

要旨:
 自然免疫システムは、細菌やウイルス等の感染病原体の初期認識ならびにその後の炎症反応の惹起や獲得免疫の誘導に重要な役割を果たす生体防御メカニズムのひとつである。この自然免疫システムでは、感染病原体に対抗したサイトカイン類の適切な発現制御が要となる。当アイソトープ総合センターの秋光教授、和田教授らのグループは、ウイルス感染に応答したサイトカイン遺伝子の転写制御を核内長鎖ノンコーディングであるNEAT1が制御していることを見いだし、その分子機構を解明した。
インフルエンザウイルスなどの感染がNEAT1ノンコーディングRNAを転写誘導し、誘導されたNEAT1がIL8などのサイトカイン遺伝子群の転写リプレッサーであるSFPQをプロモーターから乖離(脱抑制)させることを見いだした。このSFPQの乖離がサイトカイン遺伝子の転写を引き起こし、その結果、ウイルス感染細胞からのサイトカイン類の発現量を増加して自然免疫システムを活性化するメカニズムを明らかにした。今回の研究では、核内長鎖ノンコーディングRNAが自然免疫応答の分子スイッチとして機能することを初めて示した成果である。これまで、ウイルス感染に応答したサイトカイン遺伝子群の転写活性化機構として、転写因子NFκBが主に注目されて研究がなされてきた。NEAT1が欠損した細胞では、NFκBが正常に存在してもサイトカイン遺伝子が十分に転写誘導されなかったことから、今回見いだされたNEAT1ノンコーディングRNA依存的なサイトカイン遺伝子発現誘導機構は適切な自然免疫応答にとって必須な機構であることがわかった。

【本研究成果はMolecular Cell誌 2014年2月6日電子版に掲載】

論文タイトル:Long noncoding RNA NEAT1-dependent SFPQ relocation between nuclear body paraspeckle and promoter mediates IL8 expression in response to immune stimuli

著者:Imamura K., Imamachi N., Akizuki G., Kumakura M., Kawaguchi A., Nagata K., Kato A., Kawaguchi Y., Sato H., Yoneda M., Kai C., Yada T., Suzuki Y., Yamada T., Ozawa T., Kaneki K., Inoue T., Kobayashi M., Kodama T., Wada Y., Sekimizu K. and Akimitsu N.

 

 


 
   
最終更新日: 2014年5月15日